勇者エイトの医学blog

国家試験対策の勉強ばかりで退屈な毎日. そんな中で興味のあることについて唯一Outputすることができる場.

今までいろんな方のブログのお世話になった国公立大学医学部6年生が何か還元するためにと立ち上げたブログです.

V1V2V3でR波増高, またはⅠ,V5,V6で深いS波

V1V2V3でR波増高, またはⅠ,V5,V6で深いS波

言い換えると, 右側胸部誘導でのR波増高, 左側胸部誘導での深いS波

上記の所見を見たら, 何を考えるべきか. 

 

鑑別疾患

  1. 反時計方向回転
  2. 後壁梗塞
  3. 右脚ブロック(RBBB)
  4. 右室肥大(RVH)
  5. 急性肺性心

 

評価手順

まずV1-2R/S>1, V5-6深いS波をみる.

・前者のみ → 1)

・両方 → 2) or 3)

・後者のみ → 4) 


1) QRS時間<0.10秒, VAT *<0.03秒なら, 異常qやST-Tをみる. 

・異常Q波やST-T変化なし → 反時計方向回転

・異常Q波やST-T変化あり → 後壁梗塞

*VAT:QRS波の立ち上がりからピークまでの時間


2) QRS時間>0.10秒, VAT>0.06秒なら, まず脚ブロックを考える. 

V1-2でrSR' pattern, Ⅰ, V5-6に幅広いS波右脚ブロック
なければ, 他のブロックを考える


3) QRS時間<0.10秒, VAT=0.03~0.05秒なら, 全誘導を見渡し, 右軸偏位, 肺性P波, V1-V3のstrain patternあれば, 右室肥大


4) SⅠQⅢTⅢ patternなら, 急性肺性心.


いずれにも当てはまらない時, 他の検査へGO.

 

参考書籍:心電図の読み方パーフェクトマニュアル